はじめに

『地域力再生から孤立ゼロへ』

わが国の高齢化は他に類を見ないスピードで進んでおり、平成22 年には高齢化率が23.1%と、国民の5人に1人以上が65 歳以上の高齢者という超高齢社会を迎えています。特に平成24 年から平成26 年にかけての3年間に、いわゆる“団塊の世代”と呼ばれる方々が徐々に高齢者の仲間入りとなっていくことから、高齢化はさらに進んでいくと考えられています。高齢化の進展に伴い、元気な高齢者が増加する一方で、なんらかの支援が必要な高齢者も増加していきます。また、ひとり暮らし、認知症、身寄りのいない高齢者の増加など、身体状態だけでなく、生活状況や経済状況なども多種、複雑となっており、高齢者福祉や介護に対するニーズは、今後ますます増大するとともに多様化していくと考えられます。

しかしながら、地域の中に、高齢者の多様なニーズに応える社会参加の「場」が少なく、また加齢や疾病による身体的機能の衰えとともに、一方的に支えられる側となり、自信や自立心が喪失することで、閉じこもりにつながっていくケースも多く見られます。

地域力再生から孤立ゼロへそこで、支えられる「受け手」としてだけでなく、自分のできることを行って、誰かを支える「担い手」としても活躍できる場を通じて、仲間ができ、生きがいを感じることで、自らの意志に立脚した自立が生まれ、社会的孤立の歯止めとなると考え、本事業を実施致しました。その結果、この取り組みにより、地域全体で見守り、見守られる、ぬくもりのある絆が生まれ、社会的孤立ゼロに向けて、地域力が活性化していき、このことはいざという時の備えとしても、有効な手段になることが明らかとなりました。

本事業により得られたノウハウや知見によって、「場」づくりのおもしろさや効果を知って頂き、高齢者自らが率先して行う、能動的な介護予防、認知症予防としても活用して頂ければ幸いです。本報告が同様の課題をもつ、多くの地域での今後の取り組みの一助になり、各地域らしい活動に発展していくことを祈念致します。

また、事業の遂行にあたり、多大なご協力を頂いた山梨県甲斐市さつき野区の皆様、そしてご支援下さった多くの関係者の方々に心から感謝申し上げます。

平成26年3月

特定非営利活動法人メディカルケア協会

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